!!販売施工業者の選び方と各メーカの比較
1.モジュールの取り扱い方〜
モジュールは優しく扱いましょう。
たたいたり、上に乗ったりすると中が割れてしまいます。この割れたところが原因で火災が発生するのです。これを「ホットスポット」と呼びます。
さらに言うと・・・
設置の際に、モジュールの上に乗ってメキッ と言ったら・・・
これは経年劣化の際、このことが原因で「マイクロクラック」というひびのようなものができてしまいます。上に乗らずに設置することが大切なんです。
業者と面談する時「モジュールの取り扱い方は」と、質問されると良いでしょう!!
2.知らないと危険!!「太陽光発電とオール電化」の誤解
あなたは、太陽光発電やオール電化の寿命が「業者の施工次第で変わる!」ってご存じですか?
「えっ!?太陽光発電は30年以上活躍するって聞いたし、オール電化も誰が取り付けても一緒でしょう?」
それでは、消費者である皆さんが「ある商品特性」を知らない為に、こんな悲劇が、実際に起きているのはご存じですか?
「太陽光発電を設置したら、屋根から雨漏りがした!」
「エコキュートのタンクがちょっと地震で倒れそうになった!」などなど。
では「ある商品特性」とは、なんでしょう?
それは、まず太陽光発電もオール電化も、コンセントを差し込めばすぐに動く「家電」と同じように考えている方も多いと思いますが、そうではないということです。
では、何でしょうか?
実は、これらの設置には、必ず工事が伴います。つまり、工事が絶対に必要な「住宅設備」なのです。
確かに製品の寿命は太陽光発電もオール電化も長いものです。しかし、それらを支える基礎となる部分が1年しか持たなかったらどうでしょう?「住宅設備」は、基礎となる部分=工事の技術レベルが重要なのです。今でも、そういった視点を消費者が持たない為、これらの危険なトラブルが後を絶ちません。
工事について詳しく説明してくれる業者を選びましょう!!
3.太陽光発電へのこだわりがある業者か?
設置の技術は命綱!!
屋根に太陽光パネルを設置する場合、雨漏りしないように「ネジや釘を打つ場所が決まっている」のはご存じですか?例えば、近年では太陽光パネルを設置する屋根は瓦ではなく「コロニアル※1という屋根材」を使ったものが年々増加し、設置業者も施工する機会が増えてきています。
しかし、屋根には何処にでも、釘やネジを打っていいわけではないのです。特にコロニアルは強く釘やネジを打つことによって「雨水が下から上に逆流してしまったり」「防水処理が施されていない部分に雨水を呼び込んでしまったり」するので、年数が経つにつれ、雨漏りの原因にもなるのです(取り付けた時、見た目には全く分かりません…)。
これを簡単に説明すると、(特にコロニアルは)もともと毛細管現象を防ぐような構造になっていて、表面が平らではなく上の屋根材と下の屋根材が密着しないようにデコボコなっているからです(それを密着させてしまえば当然問題が起きます)。
太陽光パネルは1度設置すると、動かす事は困難ですので、事が起きてからでは遅すぎます。太陽光発電システムは、何十年経っても、家に負担をかける事なく「稼働し続ける事」が最も重要です。
しかしながら、実際の施工を行っている施工店の多くは電気工事会社さん等ですので、本当に屋根を知って施工している会社さんは非常に少ないといえます。専門業者ならお客様には見えない職人の技を持っています。大切な住宅の十数年後の事を考えられる、そんな業者を選ぶべきではないでしょうか。
屋根に穴を開けないように、釘やネジを使わず施行する技術も有るようです。
契約を結ぶ前に、必ず「雨漏りは大丈夫ですか?」と問いかけ、施行方法を聞きましょう!!
※1 セメントと人工繊維や天然繊維を使用して造られた、平状の屋根葺き材。(平板石綿板)
4.貴方の家に最適なメーカーを提案してくれるか?
太陽光発電購入にあたり、「複数メーカーの製品を比較検討して購入したかった」という意見が多く聞かれます。太陽電池はメーカーにより「価格」「性能」「アフターメンテナンスの有無」などが異なり特徴があるので、太陽光発電のイベントに参加するなど事前情報を身につけることがお勧めです。
施工業者には、「1つのメーカー商品を扱っている会社」「複数のメーカーを扱っている会社」があります。後者は、数あるメーカーの中から貴方の家に合ったメーカーを提案してくれるため、ご希望のメーカーがない場合に最適です。
屋根のタイプで最適な太陽パネルが有ると思いますので、必ず現場を見させて見積りを取って下さい。
5.見積りやシミュレーション結果が正確であるか?
太陽光発電購入の際には、屋根の現地調査をさせた上で、正確な見積りと経済効果・環境効果のシミュレーション結果を出させて下さい。
シミュレーションや見積りは、正確性が命。
初めに正確に出せていない段階でシステムを導入してしまうと、「思ったより発電効率が悪い」「見積もりが上積みされた」との後悔に繋がることになります。
これらの正確性は、施工会社の実績によりスキルの差が見られますので、実績のある会社にお願いすると良いでしょう。
インターネットでは、発電量等をシミュレーションするソフトが、無料で使用出来るものがありますので、ご自分で事前にチエックしておく事も必要でしょう!!
6.施工体制は?
一部の施工業者は、自社の施工部門を持たず、全て外注としているケースがあります。
そういった業者は、施工能力を持たないため、工事を細かに監理することが出来ず、技術面で不安が残るだけでなく結果的に不具合を残しやすいと言えます。
また、自社の施工部隊がありませんから、施工業者とのトラブルが発生するなどした際に自社で責任を持って再施工をする等といった対応は出来なくなってしまいます。
施工の体制は会社によって異なります。事前に確認をすることをお勧めします!!
7.アフターフォローやメンテナンスの説明は十分か?
太陽光発電は高い買い物ですから、何十年経った後にも困りごとがあった時にすぐに相談できる信頼できる会社にお願いすることをお勧めします。
アフターフォローやメンテナンスサービスの内容は会社によって異なります。かならず事前に確認をしましょう。
出来るだけ地元で実績が多い業者を数社選び、合い見積もりさせましょう!!
8.太陽光発電の設置技術者の資格は?
各メーカや太陽光発電協会が行う「太陽光発電の設置技術者養成講習会」を、終了した者かどうか証明書等を確認する事も大切です。
9.契約証の中で特に気を付ける事は?
産総研太陽光発電研究センターに太陽光発電の寿命と発電量について問い合わせたところ、以下のような回答を頂きました。
「太陽光発電の主な構成機器は、太陽電池パネルとパワーコンディショナです。太陽電池パネルは一般に20年以上もつといわれています。また、パワーコンディショナは10年程度といわれています。
しかし、当所の研究・調査では、いずれの機器もその年数に達する前に故障する事例が一定程度存在することもわかっています。
なお、経年劣化については、実際のところは「よくわかっていない」とおもいます。
パネルの公称kwあたりの平均的な発電量は、年間各年の太陽エネルギー量によって異なってきますが、一般的にはkWあたり年間に1000kWh程度発電するはずです。」
上記を踏まえて、契約証の中で保証に付いて書かれている箇所が有ると思いますので、機器保証については「全ての保証期間は10年」と、述べられているかどうか確認して下さい。
各メーカは10年保証を約束していますが、パワーコンディショナの保証が抜けている場合があるようなので、注意して下さい。発電量も確認して下さい。
契約書は面倒くさらないで、納得いくまで良く読みましょう!!
10.全国に対応しているか?
全国に対応している会社は、他府県へのお引越しの際にも迅速に対応することができます。その場合は屋根の形状や大きさなどにより移設費用以外の機器費が発生する場合がございます。
11.メーカ毎の特徴・3kwの太陽光発電の適正価格は?
産総研太陽光発電研究センターに「太陽光発電を設置したいのですが、工事費を含めてどのぐらいの費用が掛かりますか?(PV値=4kwhとして)」と問い合わせたところ、以下のような回答を頂きました。
「住宅用の場合、今年1月から新たに開始された設置補助金では、kWあたり70万円以下であることが条件となっていますので、280万円程度と考えておられればよいかと存じます」
上記を踏まえて、以下にある業者が教えてくれた内容を列記しますのでご参考下さい。
サンヨーのHITシリーズがあります。
(長州の場合はCS-210となります。同じパネルです)
HIT NKH210
HIT BKH210
HIT BK200
などです。
210、200という数字はワット数をあらわします。
例えば、
HIT NKH210というモジュールは1枚で210ワットの発電量があることを意味します。
HIT NKH210を15枚設置すると210ワット×15枚=3150ワット
つまり、3.15キロワットの太陽光発電システムということになります。
3.15キロワットのサンヨーの太陽光発電システムを設置しますと1年間に約3465キロワットアワー(kwh)発電します。
■機器・工事費
1キロワットあたり、70万円です。
3キロワットのサンヨーの太陽光発電を設置した場合、3キロワット×70万円=210万円
機器、工事費すべてを含んで210万円が相場です。
シャープではND−153AUというモジュールがあります。
このモジュールは1枚で153ワットの発電量があることを意味します。
ND−153AUを24枚設置すると153ワット×24枚=3672ワット
つまり、
3.672キロワットの太陽光発電システムということになります。
3.672キロワットのシャープの太陽光発電システムを設置しますと1年間に約3700キロワットアワー(kwh)発電します。
■機器・工事費
1キロワットあたり、60万円です。
3キロワットのシャープの太陽光発電を設置した場合
3キロワット×60万円=180万円
機器、工事費すべてを含んで180万円が相場です。
京セラは、SAMURAIが有名です。
SU60T-02というパネルは、1枚で60ワットの発電があり
SU45T-02というパネルは、1枚で45ワットの発電があります。
例えば、システム型式 PV3340S6045というのは 使用太陽電池パネルSU60T-02を33枚使用し、さらにSU45T-02を40枚使用して
60ワット×33枚=1980ワット
45ワット×40枚=1800ワット
1980ワット+1800ワット=3780ワット
つまり
3.78キロワットの太陽光発電システムということになります。
3.78キロワットの京セラの太陽光発電システムを設置しますと1年間に約3780キロワットアワー(kwh)発電します。
■機器・工事費
1キロワットあたり、65万円です。
3キロワットの京セラの太陽光発電を設置した場合3キロワット×65万円=195万円
機器、工事費すべてを含んで195万円が相場です。
三菱は、MXシリーズが有名です。
パネルは、このような名前です。
PV-MX185G
PV-MX0925GH
PV-MX0925GL/GR
185、0925などの数字は出力ワット数をあらわします。
PV-MX185Gは、このパネルは1枚で185ワットの発電量があることを意味します。
PV-MX0925GHは、このパネルは1枚で92.5ワットの発電量があることを意味します。
PV-MX185Gを20枚設置すると185ワット×20枚=3700ワット
つまり、3.7キロワットの太陽光発電システムということになります。
3.7キロワットの三菱の太陽光発電システムを設置しますと1年間に約3700キロワットアワー(kwh)発電します。
■機器・工事費
1キロワットあたり、65万円です。
3キロワットの三菱の太陽光発電を設置した場合3キロワット×65万円=195万円
機器、工事費すべてを含んで195万円が相場です。
(キロワット数が増えれば、1キロワットあたりの価格は下がります)
お住まいの地域や屋根の条件によって多少の上下はありますが上記を基準にお考えください。
12.最も効果的なオール電化の適正価格は?
各メーカーとも、エコキュートとIHクッキングヒーターの設置は工事費込みで80万円が相場です。
■ 太陽光発電+オール電化の価格は
(1)シャープ
太陽光発電を3kw設置しオール電化(エコキュートとIHクッキングヒーター)を取り付けた場合、工事費込みの総支払い額は180万円+80万円=260万円が相場です。
(2)京セラ、三菱
太陽光発電を3kw設置しオール電化(エコキュートとIHクッキングヒーター)を取り付けた場合、工事費込みの総支払い額は195万円+80万円=275万円が相場です。
(3)サンヨー
太陽光発電を3kw設置しオール電化(エコキュートとIHクッキングヒーター)を取り付けた場合、工事費込みの総支払い額は210万円+80万円=290万円が相場です。
この価格を基準にお考えください。
13.各メーカのモジュールの価格は?
!!太陽光発電
1.太陽発電のしくみ?
住宅用の太陽光発電システムは、太陽の光エネルギーを受けて太陽電池が発電した直流電力を、パワーコンディショナにより電力会社と同じ交流電力に変換し、家庭内のさまざまな家電製品に電気を供給します。
一般の系統連系方式の太陽光発電システムでは電力会社の配電線とつながっているので、発電電力が消費電力を上回った場合は、電力会社へ逆に送電(逆潮流)して電気を買い取ってもらうことができます。
反対に、曇りや雨の日など発電した電力では足りない時や夜間などは、従来通り電力会社の電気を使います。
なお、こうした電気のやりとりは自動的に行われるので、日常の操作は一切不要です。
キーワード
太陽電池:太陽の光エネルギーを直接電気に変換する装置。
接続箱:太陽電池からの直流配線を一本にまとめ、パワーコンディショナに送るための装置。
パワーコンディショナ:太陽電池で発電した直流電力を交流電力に変換するための装置。
分電盤:家の配線に電気を分ける装置。
電力量計:電力会社に売った電力や、購入した電力を計量するメーター。売電用と買電用の2つの電力量計が必要となります。
系統連系:自家用発電設備を電力会社の配電線に接続して運用する方法。
逆潮流:系統連系する太陽光発電などの自家用発電設備から、電力会社の配電線(商用系統)へ電力が流れること。 |
上記はJPEA太陽光発電協会の資料より
2.太陽電池の原理と種類?
太陽電池の原理
太陽光発電システムの中心になっているのが、太陽電池です。
太陽電池は、太陽の光エネルギーを吸収して直接電気に変えるエネルギー変換器。シリコンなどの半導体で作られており、この半導体に光が当たると、日射強度に比例して発電します。
「電池」という名前がついていますが、電気をためる機能はありません。
ちなみに、太陽光発電は英語ではPhotovoltaic(PV)と呼ばれています。
太陽電池の原理
現在最も多く使われている太陽電池は、シリコン系太陽電池です。この太陽電池では、電気的な性質の異なる2種類(p型、n型)の半導体を重ね合わせた構造をしています。
太陽電池に太陽の光が当たると、電子(−)と正孔(+)が発生し、正孔はp型半導体へ、電子はn型半導体側へ引き寄せられます。このため、表面と裏面につけた電極に電球やモータのような負荷をつなぐと電流が流れ出します。
太陽電池の種類
太陽電池には、使われる素材や構造によっていろいろな種類があります。
開発中のものを含めると多岐にわたりますが、ここでは現在普及が進んでいるものを中心に紹介しましょう。
□シリコン系
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結晶系
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単結晶シリコン太陽電池
多結晶シリコン太陽電池
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単結晶または多結晶のシリコン基板を使用したタイプで、発電効率が優れています。現在、最もたくさん生産されているタイプの太陽電池です。
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非結晶質系
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アモルファスシリコン太陽電池
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ガラス、または金属等の基板の上に、薄膜状のアモルファスシリコンを形成させて作ります。将来の低価格化が期待されている太陽電池です。
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■化合物半導体系
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結晶系
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単結晶化合物半導体太陽電池
多結晶化合物半導体太陽電池
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化合物半導体太陽電池とは複数の元素を主原料としたもので、単結晶と多結晶のものがあります。単結晶の太陽電池には、人工衛星などの特殊用途に使われているものなどがあります。多結晶のものには、用途や使用方法に合わせて多様な材料や構造のものがあります。
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※上記以外にも、異なる性質の材料を組み合わせたハイブリッド型など、いろいろな太陽電池があります。
column 太陽電池のセル、モジュール、アレイとは?
太陽電池は、その構成単位によって「セル」「モジュール」「アレイ」と呼び方が変わるので、覚えておくと便利です。
セル
太陽電池の基本単位で、太陽電池素子そのものをセルと呼びます。
モジュール
セルを必要枚配列して、屋外で利用できるよう樹脂や強化ガラスなどで保護し、パッケージ化したものです。このモジュールは、太陽電池パネルとも呼ばれます。
アレイ
モジュール(パネル)を複数枚並べて接続したものをアレイと呼びます。
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上記はJPEA太陽光発電協会の資料より
3.太陽電池モジュールができるまで?
多結晶シリコン太陽電池の製造方法を紹介します。
多結晶シリコンウェーハ 太陽電池セル 太陽電池モジュール
太陽電池セル:
太陽電池の基本単位で、シリコンウェーハ上に太陽電池の機能を作りこんだものをセルと呼びます。
太陽電池モジュール(パネル):
セルを組み合わせて並べ、透明な樹脂や強化ガラスなどで保護し、一体化したものです。
太陽電池モジュールは、太陽電池パネルとも呼ばれます。
太陽電池アレイ:
太陽電池モジュールを組み合わせて接続したものをアレイと呼びます。
太陽光発電(個人住宅)の一般的な構成
太陽光発電システムは光を受けて発電するというシンプルな機能なので、維持や管理が簡単です。さらに、排気ガスや騒音を出しませんので、日照量が確保できる場所さえあれば設置できます。また、モジュールを組み合わせて構成するため、設置する広さに応じてシステムの規模を変えられます。
保護装置・インバーター:
太陽電池から取り出した電流は直流のため、インバーターで交流に変換します。電力会社から供給される電流は交流です。
分電計:
家屋内の各配線に電流を分けます。
電力量計:
電力会社から購入する電力と、電力会社に販売した電力を計ります。一般にそれぞれ電力量計が必要となります。
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