4.市民共同発電に関する調査・研究 
(2005年度)

2006年度計画


 ・2006年度はPR活動と事業案の作成 
 ・来年度に1案件の実現を目標





□市民共同発電に関する勉強会(2006年2月15日)
気候ネットワ-ク田浦健朗事務局長に「地球温暖化問題と市民共同発電の取り組み」と題し1時間余り、お話しいただきました。二酸化炭素濃度は産業革命前の280ppmに対し、2002年には374ppmと急上昇を続けています。過去65万年の歴史の中でも最高値、何が起こるか予測もし難い。二酸化炭素の人為排出量は63億トンCに対し自然吸収量は半分の31億トンC。仮に今から半減し始めても二酸化炭素濃度は上昇を続け、安定化するまでは100~300年、気温が安定化するまでには数百年、海面上昇は1000年近くも続くそうです。温暖化問題は単に気温が1.4度から5.8度上昇という不都合だけでなく、想定外の事態が起こること。例えば海流の大コンベアベルトが狂い、グリ-ンランドの氷が氷解、シベリア永久凍土の溶解・メタンガス放出という取り返しのつかない不可逆的変化が起こることになるかもしれないということだと強調されました。
 やらねばならぬことは"エネルギ-消費の削減"と"再生可能エネルギ-の導入普及の拡大"。再生可能エネルギ-導入事例として「北海道グリ-ンファンド」と「きょうとグリ-ンファンドのおひさま発電所」の説明がありました。風力発電は7,8年で費用回収が可能になってきたが太陽光発電の場合、約半額の助成がないと成り立たないそうです。残念ながら、補助金は200キロワット以上の大型出力パネルでないとこれからは受けられなくなるそうです。寄付型で資金集めのうまい策があるわけでもありません。 野洲市では地域通貨を回し、資金を集めるというようやり方も試みられつつありますが、基本は"温暖化防止の必要性をより多くの人に認識してもらうこと"と強調されました。新幹線に田浦さんを送った時の話ですが京都法然院の一号機導入は既に太陽光パネルをつける計画があったのに「きょうとグリ-ンファンド」が便乗し、これで弾みがついたとのこと。高いハ-ドルを初から狙わず、なるべく低いところを見つけ乗り越えてくださいといわれました。
 田浦さんの講演の前半は温暖化は着実に急速に進みつつあり、現在の策ではこの流れは止められない。が、なんとしても放って置くわけにはいかないという重たい・厳しい現状報告でした。後半の再生可能エネルギー導入に関しても成功した具体的事例を聞けば聞くほど、ハ-ドルの高さを感じました。宇部の場でどう展開すべきか考え、お先真っ暗でしたが、田浦さんの"やれるところを探して突破口を作ってください"というアドバイスを聞き少し気が楽になりました。Q&A の中で出てきた"ため池の水を使いミニ水力発電ができないか"という話は検討してみたいと思います。
 何れにしろ、市民共同発電の宇部モデルを作るため皆さんからのご意見、ご提案をお待ちしています。田浦さんありがとうございました

趣意書(8月3日)
 民共同発電とは、自分たちが使う電気は自分たちの手で、しかも、化石燃料や原子力エネルギーでなく再生可能なエネルギーから作り出そうという運動です。再生可能エネルギーとしては太陽光、風力などがあります。現在、太陽光や風力から作り出す電気は、化石燃料や原子力に比べて経済的には太刀打ちできません。多くの解決すべき技術的・制度的課題があります。
 市民共同発電という考え方を学ぶことにより、電気を大事に使おうという人が少しずつ増えてくることを期待しています。例えば、幼稚園の屋上などに太陽光パネルを設置することで、園児たちが日々の発電量に興味を持ち、環境教育の実践にも役立ちます。先ずは講師を招き、学習会を開催したいと考えています。学習会を終え、市民共同発電を実現してみたいという方が何人か集まれば市民共同発電設立準備委員会を立ち上げ具現化していきたいと思います。宇部市地球温暖化ネットワークは市民共同発電設立準備委員会の事務局を支援します。ご意見を賜りたいと思います。